荒尾市のA男さん(54才)は、29歳の時に大学病院でFAPの確定診断を受けました。
症状としては目眩、便秘、下痢が続き、その後も立位性低血圧のふらつきがあり、肝臓移植を行いましたが、症状は進行していき視力、視野の低下が顕著となってきました。34才時に緑内障と診断され、何度も緑内障手術を受けましたが手術の効果は3年くらいしかもたず、眼圧は直ぐに上昇していきました。6度の緑内障手術後、左目は完全に失明し右目は0.04以下となったため、障害基礎年金請求をし1級に認定されました。一人暮らしのため訪問介護を週に3度受けて何とか自宅での生活を続けていますが、右目が完全に失明した場合は、自宅での生活は極めて困難な状態になります
藤井
FAP「家族性アリロイドニューロパチー」は遺伝性の病です。日本では熊本県荒尾市や長野県で見られます。体のアミロイドが末梢神経、心臓、消化管、眼に沈着し臓器障害を起します。そのため蛋白を作る肝臓の移植手術が通常行われますがアミロイド沈着は進行し、心不全に伴うペースメーカー装着、緑内障による視力の低下が進行します。また免疫力の低下に伴い、様々な傷病が発生します。